第九話・真琴の戦い
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第九話・真琴の戦い
霧香によって連れてこられた闘技場は先ほど祐一たちがいたトレーニングルームのさらに下の階にあり、その広さは一辺が40メートルほどの正方形で、高さも5メートル近くある。だが霧香がいうにはこれでもまだ狭いらしく、本当に強い実力者、SランクやSSランク同士の戦いだと下手をすれば一撃で消し飛んでしまうぐらいの広さしかないらしい。
「遅かったですね」
霧香たちを迎えたのは美汐だった。その奥には他に三人いる。祐一主観から見た感想を言うと黒いのと青いのと赤いのの三人だ。
「ごめんなさい、この子たち思ったよりもだらしがなくて、身体能力のテストだけでかなりへばっちゃったみたいだから少し休ませていたのよ」
「なるほど、それはしかたありませんね」
「祐一ったらほんと情けなかったのよ」
「うっさい」
好き勝手言う真琴にそれぐらいしか言い返せない。だって真琴よりもへばっていたのは事実だったから。
「真琴、相沢さん、私や久瀬さんは別にかまいませんが、他のお二人は時間を削って来ていただいているのですからあまり待たせるものではないですよ」
「うむ、すまん」
「あう〜、ごめんなさい」
美汐に言われて素直に謝る二人を眺めて、突然青いのがこっちにやってきた。
「まあまあ美汐ちゃん、ついこないだまで素人だったの萎縮していないっていうのは大物か馬鹿かって相場は決まっているんだ。下手に萎縮してカチコチに緊張されちゃあ実力もわからないだろう。それなら大物にしろ馬鹿にしろある程度強気でいてくれたほうがいいさ」
青いのの言い分に美汐は口をつぐんだ。青いのが言ったことは事実であるのも理由のひとつだが、なによりこの二人の場合は大物ではなく馬鹿のほうですと思ってしまったからだ。
それをあくまで自分の言ったことの肯定だと受け取った青いのは祐一たちに自己紹介を始めた。
「俺は佐々木昇、ランクはAだ。よろしくな」
「あ、ああ、よろしく」
祐一は差し出された昇の手をつかみ、握手した。
「…どうやら本当に素人みたいだな」
「えっ?」
手を離した瞬間、昇がぼそっと呟いて離れていく。
祐一としては一体何を理由にそう判断したのか分からないのが不安だった。
実際には昇は握手によって祐一の手の平の様子をみていたのだ。武術を行う人間、特に武器を使う人間にはそれにあわせて手に何らかの変化が現れてくる。剣や槍のような手に持って使う武器の場合は手の平の筋肉がそれに合うように形が変わってくるのだ。もちろん例外もあるが、それを除いたとしても足運びなどでも武術家としてのレベルはある程度わかる。そのどちらでも昇が見た限り祐一は素人、武術とはあまり縁のない人間であると判断していた。ただまあここ毎日のように刃相手に剣を振り続けていたためにマメはいくつか潰れていたりしていたのが努力の証と言えるだろう。
昇が元の位置に戻ると今度は赤いのがこっちにやってきた。
「僕は月山煉、ランクは美汐ちゃんと同じでA。いろいろと大変だろうけどがんばってね」
「あ、はい」
煉のほうは握手もなしで戻っていく。
昇と煉は見た目が対照的な二人だというのが祐一の感想だ。
昇は見た感じ真面目で堅物そうで、着ている服も髪も青、目つきは鋭くまるでいぜん真琴につき合わされてみた動物番組に映っていた獲物を狙う鷹のような目つきだった。
一方煉のほうはやわらかな態度で人のよさそうな顔をしている。着ている服は赤く、髪も赤いが目は穏やかなのだ。
「では自己紹介もすんだことですしさっそく始めましょうか」
「あ、ちょっと待って、津月君はまだ?」
「そうみたいですね、ですがもう少ししたら来るでしょう。あのお二人を待たせるのは心苦しいですし、津月さんの件は相沢さんの順番を最後にすれば問題ないでしょう」
「それもそうね、じゃあ始めましょうか。それで、そっちの順番はもう決まってるの?」
「はい、最初は佐々木さんが行きます」
「そう、じゃあこっちは誰から行くかしら。誰か行きたい人はいる?」
「はーい」
真っ先に返事をしたのは美汐の横に立っている真琴だ。他のメンバーは何も言わずに黙って立っている。
「じゃあ水瀬真琴さん、紛らわしいから真琴さんでいいわね。あなたが最初ね、準備して」
「任せて」
真琴は持ってきた鞄から北川からもらった手甲を取り出し、鞄を名雪のところに置きに行った。
「ところで天野」
「なんですか?」
祐一は実は先ほどから気になっていたことをたずねることにした。
「何で巫女服なんだ?」
そう、なぜか美汐は巫女服に着替えていたのだ。真琴と祐一以外が今まで何も言葉を発しなかったのはいとえにそれが理由であった。それにたいして真琴がなんとも思わなかったのは実はあゆの一件がある前にも天野家に遊びに行っていた真琴は美汐が巫女服なるものを持っているを知っていたのと、巫女服がどういうものなのかわからず、普通の着物の一種ぐらいにしか認識していなかったからであり、祐一はあまりに似合っていたので気がつくのに遅れてしまったのだ。
「これは津月さんが作った戦闘服です。物理防御力、魔法防御力共に並みの戦闘服を上回っているので、愛用しているのです。たしかにこのデザインはどうかと私も思うのですが、神聖であるがゆえに防御力も上がるそうなので、我慢しています」
それは間違いなく嘘だと心の中でだけつっこんだ。錬金術やら魔術やらに無知な祐一でもそうに違いないと確信した。これは確実に俊彦の、あるいは刃の趣味であると祐一は断言できた。
実のところ祐一の予想は八割がた当たっている。この巫女服は刃が注文して、俊彦が面白半分でいろいろ付加をつけて作ったものなのだが、いちおう俊彦が美汐に言ったことも本当なのだ。ただしその効果はほんの微量に過ぎない。
「まあどうでもいいことです。ではそろそろ真琴の戦いが始まります。私は向こう側で見ていますので相沢さんたちはあちらに用意してある椅子にでも座って真琴の応援をしていてください。それでわ」
美汐は祐一に椅子の場所を教え、煉と黒いの――久瀬である――がいるほうに行ってしまった。
闘技場の中心に引いてある二つの線にそれぞれ真琴と昇が立った。
真琴は北川にもらい、刃によって名づけられた手甲、狐人甲を両手にはめ、昇は両手で身の丈よりも長い棍を持ち、互いに向き合っていた。
「それじゃあ念のため言っておくけどこれはあくまで戦闘力を見るテストだからね。結果にこだわる必要はないからね。昇君もそのつもりでやるように」
「わかってるって」
昇の口調はめんどくさそうであったが、表情は楽しそうであった。そのことに霧香は少々不安を覚えるが、まあ大丈夫だろうと判断して始めることにした。
「それじゃあさっそく始めて」
「おう」
霧香は昇の返事を受けると、壁際に座っている祐一たちのほうにやってきた。
「なあ、あの佐々木っていうのどのくらい強いんだ?」
「宗司君や美汐ちゃんと同じぐらいよ」
「いや、天野たちがどのくらい強いのか知らないんだが」
自分より強いのは理解しているがと口をもごもごとさせながらつけ加える。
実際のところ祐一たちは美汐が戦うところはおろか、修行しているところさえ見ていないのだ。久瀬に関してなら舞が多少ながら見ているのだが、何が起きているのかもほとんどわからなく、ただ風が強く吹いているとしか感じられなかったのでどのくらい強いのかは結局わからずじまいであった。
それを聞いて霧香は一瞬目を丸くしたが、すぐに元に戻し、中央に立っている二人を眺めた。
「真琴さんが持っている手甲がどのくらいの力を持った魔導器なのかは知らないけど、とりあえずまともにやったら昇君の最初の一撃で真琴さんは終わるわね」
「はあ?」
祐一たちには信じられなかった。真琴は北川から直接鍛えられ、成長度というならばこの中で一番かもしれないのだ。その真琴がたとえ相手がAランクで、一人前として認められているからといっても、一撃でやられるとはとてもではないが思えなかった。
「まああくまで昇君が一撃で決めようとすればの話だけどね。釘はさしておいたからまず心配はないと思うけど、それでも真琴さんが勝つ可能性はないわね。
いい、どれだけ才能があってどれだけの魔導器を持ったとしても、まだ修行を始めて一週間も経っていない彼女はどれだけがんばってきたとしてもせいぜいBランクまでしか届かないわ。Aランクの昇君にはかなうはずがないのよ」
「じゃあ何でそんなのと戦わせるんだよ」
だったらBランクの相手を連れてくればいいだろうがと考えるが、それは間違いである。
霧香たちがAランクを集めてきたのは万が一の事故を防ぐためである。これは実力の近いもの同士が戦えば下手をすれば誤って相手に重傷を負わせたり、あるいは殺してしまうかもしれない。これはかつて実際に零課で起きたことのある事故であり、能力を見るためのテストで死者を出してしまっては問題があるということで、その万が一が起きにくい、テストを受ける人よりも明らかに強い人を集めることにしているのだ。そういう意味では真琴は負けるだろうが、安全だけは約束されているわけである。
脇のほうでそんなことを言われているなど知らない真琴は困っていた。
美汐にいいところを見せようと思って先鋒に名乗りを上げたが、今日まで北川から教わったのは気の使い方で、戦い方なんてほとんどまったく教わっていなかったのだ。教わったことなど狐人甲の使い方だけである。
そんな真琴を見て昇は霧香ほど真琴のことを弱く見ていなかった。
真琴の気はそれほど強くはないものの、全身にくまなく行き渡り、むらが少なかった。強くするのも大変で、制御力をつけるのも大変な代わりに魔力を使うよりも強い力を出せるのが気の特徴である。それをここまできれいに全身に行き渡らすのはそう簡単にできることではないのだ。
もっともそれは北川が真っ先に真琴に覚えさせた気の状態がその状態なだけであり、普通に鍛錬してきた者がそのレベルまで到達したときにはできるようになっているだろうことはまったくといっていいほどできないのだが。
「さてお嬢ちゃん、いつまでそうしているつもりだい?」
真琴は全身の気の流れを調整するだけでなく、その気を強めてもいるのだが、それでも全身に流れる気は昇を相手にするには少々弱すぎる。昇にとっては注意が必要であっても脅威にはなっていない。
「ふん、すぐに真琴のすごさを教えてあげるわ」
狐人甲から左右三本ずつ赤い爪が伸びる。先が少し曲がった鉤爪だ。
「赤い光の気、妖気か」
昇が真琴に聞こえないように呟く。すでに今日テストを受けに来た者たちの中の、この実戦能力のテストを受ける四人の経歴ついては資料が昨日までに送られてきていたのでそれに目を通して知っていた。だから真琴が妖狐であり、人であることも知っていた。だから霊気と妖気、どちらを使うのか少し気になっていたのだ。
「いくわよー」
大きな声で宣言しながら、真琴は正面から突っ込んでいく。全身の筋肉を気の力で強化しているので、その速さは身体能力のテスト時とは比べ物にならない。
それに対して昇は棍を構えるが、真琴はそんなことはまったく気にせずに襲い掛かる。
まず右手の鉤爪を昇に向けて振り下ろすが簡単に弾かれる。
すぐさま左手の鉤爪をまっすぐに突き出すがそれも弾かれてしまう。
両腕が広がったところで今度は昇が棍を横薙ぎに振るい、真琴を弾き飛ばす。
だが真琴は棍が当たる前に腕を引き戻し、鉤爪を消してその分のエネルギーを狐人甲の腕を覆う部分に集める。すると腕部から赤い光が現れて、盾となった。
昇の棍はその盾にぶつかり、しかしそのまま盾ごと真琴を弾いてしまった。
「へえ、なかなかやる」
昇が弾き飛ばされて目をパチパチとしている真琴に対して賛辞を送った。正直あそこで気の盾を張れるとは思っていなかった。
弾き飛ばされた真琴はそれどころではなかった。狐人甲でガードしようとしたところまでは意識的にしたことだったのだが、盾を作ったのは無意識のうちにやったことだった。それができるのは知っていたし、何度も作る練習を繰り返していた。真琴にしては珍しいほど何度も何度も繰り返し繰り返し愚痴を言いながらも練習したのが反射的にできたのだ。
これが真琴に下手に自信を与えてしまった。
「どんどんいくわよー」
盾で十分守れると判断した真琴は先ほどと同じようにまっすぐ突っ込んでいく。
しかし今度は昇もわざわざ懐に入れてやるつもりはないので突きを放って迎撃する。
それに対して真琴は鉤爪を出さずに、腕を前でクロスさせ、盾を作って受け止める。
全力で突っ込んできた真琴の突進力と昇の突きの一撃の力がぶつかり合い、互いの力を相殺した。
「ほう」
昇は嬉しそうに笑みを浮かべ、真琴と少しだけ距離を離した。
「これは受けられるか?」
放たれたのは再び突き。だが先ほどと違い、今度のは一撃ではなく連撃。
真琴は手甲に今までよりも多くの気を送り込み、より強い盾をより大きく作り出す。
速く、そして重い突きが真琴の盾を強く打つ。どうやら連撃のためか先ほどほど威力はないらしく、真琴は何とか受け止めることができた。
だがそれでも棍に流れる力と昇の突きの力が合わさり、真琴の盾を削っていく。
真琴はかなり焦っていた。連撃を放ってくるのがわかったので盾を大きく作ったし、何度も耐えられるようにより強い盾を作り出した。現に真琴の盾は昇の突きを防いでいる。だが突きが速すぎる。突きの雨に真琴は防ぐ以外に何もできない状態にされてしまっていた。
突き、それも槍や棍のような長尺の武器での突きは放ったあとの隙が大きく、もしかわされて懐に入られれば防御が間に合わず、やられる恐れがある。故に突きにおいて棍を戻すの速さは突きの速さ以上に大事なのである。この戻しの速さを上げることによって隙を限りなく小さくできるのだ。
その点において昇は実に優れていた。
突きの速さ、戻しの速さ、そして戻してから再び突くまでの速さ、どれをとっても一級品であった。恐るべき技量である。
すでに昇の突きは何発か真琴の盾を突き破り、真琴の身体を捕らえている。だがそれでも真琴は手甲に気を送り込み、盾の欠けた部分を修復していく。
やがてその突きの雨も止んだ。だがすでに放たれた突きの数は数百を数え、、真琴を捕らえた数は数十に及んでいる。
だがそれでも真琴は立っていた。なんとか防ぎきったのだ。
「たいしたもんだ」
昇は真琴の強さ、とりわけ精神力の強さを称賛していた。手加減をしたとはいえそれでも圧倒的な力を持って叩きのめしたのだ。普通ならばあそこまでやられれば肉体よりも先に精神が参ってしまう。それなのに真琴は耐え切り、そしてまだ立っている。なにより目がまだ死んでいない。一泡吹かせてやろうという気がありありと読める。
真琴は強い、十分に強かった。だが相手をしている昇はそれをさらに上をいくほど強かったのだ。
これがもし相手が違っていればもっと善戦できていたかもしれない。真琴には接近しての格闘戦しかなく、そして昇は格闘戦を得意とするタイプだった。いわば真琴が突き進んだ先にいるのが昇なのである。純粋に力の差が出てしまっているのだ。
「まだやる気か?」
返事はわかっていたがそれでもきいてみる。
「あ、あたりまえよ」
予想通りの答えが返ってきた。
心が強く、芯が強く、屈しない。この手のタイプは芯が折れてしまう寸前まで追い込んで、立ち直るとさらに強くなるというのが昇の考え方だ。
だから昇は真琴をさらに、限界まで追い込むことにした。
「ならば構えろ、水瀬真琴」
昇は感覚を研ぎ澄まし
「おまえの力は認めよう」
全身に力を蓄え
「だからこそおまえと俺の力の差を教えてやる」
身体を捻り
「盾を構えろ」
全身を引き絞り
「全力で防げ」
棍を構え
「さもなくば、死ぬぞ」
殺気と共に言葉を発した。
真琴は全身に寒気を覚えた。それはかつて消えそうになったときのことを思い出させ、恐怖は真琴の気を膨れ上がらせた。
身体は勝手に盾を作るために動き出し、全身に流れる気も手甲へと流れ込んでいく。
真琴の意識はそれを理解し、逆らうことなく盾を作ることへ意識を集中する。
盾は今までよりも厚く、より強固なものとなる。しかも今度はさっきと違いそれほど大きなものでなく、その分さらに強固になっていく。
「いくぞ」
昇は真琴が盾を作ったのを確認し、溜め込んだ力を解放する。
限界まで引き絞られた筋肉は最大限の力を持って元に戻ろうと動き出し、その力は足から背中へ、背中から肩へ、肩から腕へ、そして腕から棍へと伝えられる。
「穿砕撃」
それはただ純粋な突き、ただし後の事を一切無視した、避けられた時のことを考えない、ただ一撃だけに全てをこめた突きだ。ただ相手を倒すだけのことを考えた一撃だけにその速さも威力も絶大の、まさに一撃必殺の技だ。
突きが真琴の盾に接触する。
触れた時間はほんの一瞬、ただそれだけで盾は突き破られ、砕け散った。
盾を打ち破った突きは真琴に当たる直前で止まった。真琴が止めたわけではない。最初から盾を突き破ったところで止まるように距離を調整されて放たれていたのだ。
だがそれで終わったわけではなかった。
「――――!」
盾を突き破った衝撃と、凄まじい突きの衝撃が真琴を襲い、壁際まで吹き飛ばした。
「これが力の差だ。悔しかったらしっかり精進するんだな」
昇は吹き飛んだ真琴のほうを一瞥し、真琴に背を向けて離れていった。
「あそこまでする必要はなかったのではないでしょうか?」
戻ってきた昇に対して、美汐は詰問するように言った。
真琴と昇の力の差は美汐にはよくわかっていた。だからこそ真琴は安全だと思っていた。それなのに昇はそんな美汐の期待を裏切って真琴を徹底的に叩きのめしたのだ。
昇も美汐が何を言いたいのかはわかっている。だが昇は実際に戦ってみてやる必要があると判断したからやったのだ。そのことにたいして間違ったとは思っていないので言い訳するつもりもない。だからひとつだけ言った。
「真琴ちゃんは半年以内にAランクに上がってくるぜ」
昇は確信を込めて言った。
「なっ! そんなことありえません!」
「いや、あれだけの素質に気迫、あとは優秀な師さえいればいけるだろさ。そして師として天野さんは優秀だろ。だったら問題ない。確実に行けるさ」
昇はまったく疑うことなくそう信じていた。
その昇の様子に、美汐は言うべき言葉が見つけられなかった。
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